拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています
ラーラの話題転換に私は即座に頷く。
「あ、お花のことよね? たしかに今日は、全然売れなかったわね」
私が栽培を手伝うようになってから花の品質は格段によくなって、今では数人の常連客もついている。常連さん以外にも、往来で気に入って買ってくれる通行人は多かった。
それなのに、今日は常連さんも含めてひとりもお客さんがつかなかった。こんなことは初めてだった。
「でも、今は時期が時期だし。みんなお花を買い求めるどころじゃないのかもしれないわ」
王都でも──特に中央地区よりも庶民が多く軒を連ねる北地区や孤児院のある東地区で、徐々に熱病が生活に影を落とし始めていた。
診療所には長蛇の列ができ、そこを目指す患者やその家族に道行く人が白い目を向けたり、暴言を放ったりしている場面に出くわしたのも一度や二度じゃない。商店に並ぶ食料品や生活用品は明らかにその量を減らしていた。当然、価格も跳ね上がっている。
『みゅー《そうかなぁ。町の人たちがあたしたちを見る目、なんかおかしかった気がするけど》』
「あ、お花のことよね? たしかに今日は、全然売れなかったわね」
私が栽培を手伝うようになってから花の品質は格段によくなって、今では数人の常連客もついている。常連さん以外にも、往来で気に入って買ってくれる通行人は多かった。
それなのに、今日は常連さんも含めてひとりもお客さんがつかなかった。こんなことは初めてだった。
「でも、今は時期が時期だし。みんなお花を買い求めるどころじゃないのかもしれないわ」
王都でも──特に中央地区よりも庶民が多く軒を連ねる北地区や孤児院のある東地区で、徐々に熱病が生活に影を落とし始めていた。
診療所には長蛇の列ができ、そこを目指す患者やその家族に道行く人が白い目を向けたり、暴言を放ったりしている場面に出くわしたのも一度や二度じゃない。商店に並ぶ食料品や生活用品は明らかにその量を減らしていた。当然、価格も跳ね上がっている。
『みゅー《そうかなぁ。町の人たちがあたしたちを見る目、なんかおかしかった気がするけど》』