拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています
「そう?」
『みゅー《帰りがけに会った女性客の反応を思い出してみて? 最初はあんなにニニコニで買い求めようとしてくれてたじゃない。なのに、たまたま通りがかった知り合いに袖を引かれてなにか囁かれたと思ったら、一転して凄い目でこっちを睨みつけながら購入の撤回をしてきた。それこそ、まるで汚いものでも見るみたいに》』
悲しいけれど、あのお客さんたちは孤児と孤児院に対して偏見を持つ人だったのだ。それについては、女性の反応を一番近くで目の当たりにしたミリア自身もそう理解していた。
「たしかにあの反応はあんまりだけど、毎日商売していればこういう日もあるわ」
ラーラはまだ少し納得いかない様子だったが、そもそも花は生活の必需品ではないのだ。世情が悪化していくと、段々とこういう日が増えていくかもしれない。
私はあまり深刻に捉えず、腰を屈めてラーラに両手を差し出した。
「さ、ラーラ。今日は花がなかなか売れなかったせいで、いつもより長く歩いたものね。疲れたでしょう? いらっしゃい」
『みゅー《帰りがけに会った女性客の反応を思い出してみて? 最初はあんなにニニコニで買い求めようとしてくれてたじゃない。なのに、たまたま通りがかった知り合いに袖を引かれてなにか囁かれたと思ったら、一転して凄い目でこっちを睨みつけながら購入の撤回をしてきた。それこそ、まるで汚いものでも見るみたいに》』
悲しいけれど、あのお客さんたちは孤児と孤児院に対して偏見を持つ人だったのだ。それについては、女性の反応を一番近くで目の当たりにしたミリア自身もそう理解していた。
「たしかにあの反応はあんまりだけど、毎日商売していればこういう日もあるわ」
ラーラはまだ少し納得いかない様子だったが、そもそも花は生活の必需品ではないのだ。世情が悪化していくと、段々とこういう日が増えていくかもしれない。
私はあまり深刻に捉えず、腰を屈めてラーラに両手を差し出した。
「さ、ラーラ。今日は花がなかなか売れなかったせいで、いつもより長く歩いたものね。疲れたでしょう? いらっしゃい」