拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています
悔しかった。ギリリと奥歯を噛みしめて、反論しそうになるのをすんでのところで堪えた。
「っ、行きましょう」
この段階で、かなりの人目を引いてしまっていた。私たちを囲うように人だかりができ、その輪が一層の人を呼ぶ悪循環。
しかも人々はコック服の男性に同調し、私たちを白い目で見ている。それはまさに、ここ最近目にするようになった診療所に列成す熱病患者とその家族に注がれる差別的な眼差しだった。
「……なにも知らないくせに、勝手なことを言うなよ!! そもそも熱病はな、ブルマン港に寄港した商船の商人から発症が始まってるんだ! その船に同乗してた商人たちが病のもとを身の内に抱えたまま商売しに行って、その先々で同時多発的に感染が広がって今の状態になってる。汚いものや嫌なものが全部あたしたち孤児のせいだと思ったら大間違いだ!」
ミリアを促すが、彼女は衝動を抑えることができなかったようで、私の制止を振り切って叫びをあげた。彼女の反論は、私がファルザード様からの又聞きで伝えた内容だった。
「っ、行きましょう」
この段階で、かなりの人目を引いてしまっていた。私たちを囲うように人だかりができ、その輪が一層の人を呼ぶ悪循環。
しかも人々はコック服の男性に同調し、私たちを白い目で見ている。それはまさに、ここ最近目にするようになった診療所に列成す熱病患者とその家族に注がれる差別的な眼差しだった。
「……なにも知らないくせに、勝手なことを言うなよ!! そもそも熱病はな、ブルマン港に寄港した商船の商人から発症が始まってるんだ! その船に同乗してた商人たちが病のもとを身の内に抱えたまま商売しに行って、その先々で同時多発的に感染が広がって今の状態になってる。汚いものや嫌なものが全部あたしたち孤児のせいだと思ったら大間違いだ!」
ミリアを促すが、彼女は衝動を抑えることができなかったようで、私の制止を振り切って叫びをあげた。彼女の反論は、私がファルザード様からの又聞きで伝えた内容だった。