拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています
本当はもっと撫でていたかっただろうに。ラーラへの労りと気遣いを感じさせる少女の行動に、私は密かに感動した。
「なぁ。それ、ひとつ持つよ」
少女は私に目線を移すと、顎先で『それ』と紙袋を示した。
「大丈夫よ。嵩張るけれど重いものではないから」
「いいから」
「あっ」
少女は背伸びして、少し強引に私の手からふたつある紙袋のうちの片方を持ち去ってしまう。
「お、たしかに軽いや」
「ありがとう」
「いいってことよ」
少女のぶっきらぼうな態度の中に優しさを感じ取り、私は口角を緩めた。
並んで歩きながらいろんな話をするうちに、私は少女とすっかり打ち解けていた。会話の中で少女はミリアと名乗り、先日十三歳になったばかりだと教えてくれた
「そう。ミリアは孤児院で暮らしているの」
「えー、分かってなかったのか? あたしはこんな格好だし。加えてこの区域を指せば、大抵の奴は察するぞ」
暗に世間知らずと言われているようだが、事実知らなかったのだから仕方ない。
「全然気がつかなかったわ」
「なぁ。それ、ひとつ持つよ」
少女は私に目線を移すと、顎先で『それ』と紙袋を示した。
「大丈夫よ。嵩張るけれど重いものではないから」
「いいから」
「あっ」
少女は背伸びして、少し強引に私の手からふたつある紙袋のうちの片方を持ち去ってしまう。
「お、たしかに軽いや」
「ありがとう」
「いいってことよ」
少女のぶっきらぼうな態度の中に優しさを感じ取り、私は口角を緩めた。
並んで歩きながらいろんな話をするうちに、私は少女とすっかり打ち解けていた。会話の中で少女はミリアと名乗り、先日十三歳になったばかりだと教えてくれた
「そう。ミリアは孤児院で暮らしているの」
「えー、分かってなかったのか? あたしはこんな格好だし。加えてこの区域を指せば、大抵の奴は察するぞ」
暗に世間知らずと言われているようだが、事実知らなかったのだから仕方ない。
「全然気がつかなかったわ」