拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています
ティーナの提案を受け、玄関を出る。
「少し洗濯場に寄らせてください」
「ああ」
彼女は玄関を出る際に看護服を脱ぎ、それを途中の洗濯場に置かれていた盥の中に入れる。そうして井戸の水でよく手を洗った後、なんと手早くラーラまで丸洗いしていた。
『みゅぁあ《いやぁあ! あたしはいいって言ってるのに~っ!》』
「ダーメ。あなたが感染しちゃうのも嫌だし、あなたを介して人に移っちゃうのも怖いから。ほら、もう終わるわ」
衝撃的な光景を目にした俺は、ギョッとしてザイオンに問う。
「おいザイオン。ラーラまで洗い流しているが、そもそも光の精霊に〝病のもと〟は付着するのか?」
しかし、ザイオンは俺の声など耳に入っていない様子で、尻尾をビリビリと逆立てている。
『フシャーッ《ひぃいっ、我のラーラになんたる所業を……っ!》』
……我のラーラ、か。
思わず、フッと口もとが綻んだ。
そうこうしているうちに、ティーナが洗濯場の前で待つ俺のもとに戻ってくる。ラーラも若干不貞腐れた様子で付いてきた。
「少し洗濯場に寄らせてください」
「ああ」
彼女は玄関を出る際に看護服を脱ぎ、それを途中の洗濯場に置かれていた盥の中に入れる。そうして井戸の水でよく手を洗った後、なんと手早くラーラまで丸洗いしていた。
『みゅぁあ《いやぁあ! あたしはいいって言ってるのに~っ!》』
「ダーメ。あなたが感染しちゃうのも嫌だし、あなたを介して人に移っちゃうのも怖いから。ほら、もう終わるわ」
衝撃的な光景を目にした俺は、ギョッとしてザイオンに問う。
「おいザイオン。ラーラまで洗い流しているが、そもそも光の精霊に〝病のもと〟は付着するのか?」
しかし、ザイオンは俺の声など耳に入っていない様子で、尻尾をビリビリと逆立てている。
『フシャーッ《ひぃいっ、我のラーラになんたる所業を……っ!》』
……我のラーラ、か。
思わず、フッと口もとが綻んだ。
そうこうしているうちに、ティーナが洗濯場の前で待つ俺のもとに戻ってくる。ラーラも若干不貞腐れた様子で付いてきた。