拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています
「いえ、詳しいことはなにも。ラーラからも、なにも聞いてはいませんし……というか、ファルザード様は私がラーラと意思疎通が適うようになったこと、ご存じだったのですね?」
「すぐに気づいた。だが、君から口にしてこなかったし、あえてそのままにしていた。もっとも、君がいとし子であることは最初から分かっていたことで、俺にとってたいした問題ではなかった」
「ファルザード様自身いとし子で、そのことでたくさん苦しんでこられたんですよね。だからこそ、最初から私にあんなにも好意的で、親切に接してくれた。ラーラと意思の疎通が適い、初めて自分がいとし子だと知って、いかに自分があなたに守られていたかが分かりました」
「ひとつ訂正したいんだが、同じいとし子だから先覚として見守ってやろうと思ったのはたしかに事実だ。だが、あんなにも頻回に通いつめ、同じ時間を過ごしたいと思ったのは、君だからだ」
 ティーナがヒュッと息をのむ。感じ入ったように俺を見上げ、そしてなにか決意した様子で切り出す。
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