拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています
「あり得ん。このまま鎮静しそうな状況に俺がしゃしゃり出ていけば、水を差す事態になりかねん」
 側役の意見をすっぱりと切り捨てる。
「いずれにせよ、今後の対応を詰めなければ。場所を移ろう」
「ハッ」
 ここで口頭の指示だけ出し、使者を急ぎ王都のヘサームのもとに戻したい思いはあるが、長距離駆け通しで来た馬を一度休ませるか、別の馬に替える必要もある。
「ティーナ、すまんが対策本部に戻らねばならん」
「もちろんです! こちらのことは大丈夫ですから、どうぞ行かれてください」
「そうか」
 俺はティーナとラーラをその場に残し、足早に馬を繋いだ場所まで取って返すと、側役と使者を伴って行きに二時間かけた道のりを一時間半の時間で対策本部に戻った。
 そこで、さらに王都の詳細な状況を聞き、今後の方針について討議を重ねた。
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