拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています
「……なるほど。だが、これは光の属性の君にはきっと分からない。光の精霊が生命を司り、人に陽の影響を与えるとすれば、ザイオンはその反対だ。闇の精霊であるザイオンは人の死すらも操る。そして人の陰の気に作用し、逆に人の陰の気に作用もされる。十三年前、ザイオンは俺の負の感情に同調し、結果、闇魔力で悲惨な事態を引き起こした」
ティーナは驚かなかった。ただ、静かに首を縦に振った。
「ですが、ここ十三年間でそのような事態は一度もないのですよね?」
「それは俺がザイオンに増幅されないよう、完全に魔力を封じているからだ。魔力を一切漏らさなければ、勝手に増幅される心配はないからな」
ティーナは驚かなかった。ただ、静かに首を縦に振った。
「ですが、ここ十三年間でそのような事態は一度もないのですよね?」
「それは俺がザイオンに増幅されないよう、完全に魔力を封じているからだ。魔力を一切漏らさなければ、勝手に増幅される心配はないからな」