拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています
この場所に乳幼児から上は十五歳まで二十人もの子供たちが肩寄せ合って暮らしていると聞き、なんだかやり切れない思いがした。
ミリアの先導で建物横手に広がる花畑に回る。
「ちょっとミリア。先に怪我の手当てをしなくていいの?」
「だーかーら、そんなのはもう治っちゃったってば。それより、今日売ってたのはここの薔薇なんだ」
そこは花畑とは名ばかりで荒れ地に近い状態だった。
目の前に生えている薔薇にしても、枝こそなんとか伸びていても、まともな花芽がほとんどついていなかった。ミリアの言葉通り人の手は一切かけられていないようで、そんな中でやっと花開いた数輪を売っていたようだ。
私は幼い頃から植物が好きで、見て愛でるのはもちろん、手ずから世話をするのも好きだった。庭師さんを手伝ってのガーデニングは、もう長年の習慣のようなもの。クタッと元気のない薔薇を見たら、居てもたってもいられなかった。
「ミリア。井戸から水を汲ませてもらってもいい? この子たち、だいぶカラカラみたい」
ミリアの先導で建物横手に広がる花畑に回る。
「ちょっとミリア。先に怪我の手当てをしなくていいの?」
「だーかーら、そんなのはもう治っちゃったってば。それより、今日売ってたのはここの薔薇なんだ」
そこは花畑とは名ばかりで荒れ地に近い状態だった。
目の前に生えている薔薇にしても、枝こそなんとか伸びていても、まともな花芽がほとんどついていなかった。ミリアの言葉通り人の手は一切かけられていないようで、そんな中でやっと花開いた数輪を売っていたようだ。
私は幼い頃から植物が好きで、見て愛でるのはもちろん、手ずから世話をするのも好きだった。庭師さんを手伝ってのガーデニングは、もう長年の習慣のようなもの。クタッと元気のない薔薇を見たら、居てもたってもいられなかった。
「ミリア。井戸から水を汲ませてもらってもいい? この子たち、だいぶカラカラみたい」