拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています
もともと相性の良さそうな二匹だったが、以前は年長のザイオンに、年若いラーラの腰が引けているようだった。それがいつの間にか、対等に……いや。むしろ、ラーラがザイオンを振り回すくらい、気安い関係が築けているようでホッとする。
それにザイオンが、呼び名を《チビ助》から《ラーラ》に変えているのも大きなポイントだ。
『ニャー《と、とにかく承知した》』
ザイオンはファルザード様に向き直り、早口に告げた。
「ありがとう、ザイオン。ならば善は急げだ。場所を小高い丘かどこかに移したら、さっそく頼む。さて、どこがいいか」
場所を移るのは、風を起こす際、万が一にも民家を巻き込まないようにという配慮から。
ファルザード様は、顎に手をあてて目ぼしい場所を思案しだす。
「……あの! ここの裏の鐘楼では駄目ですか? 丘ではないし、回りに民家や田畑も多いですが、高さがあるので周囲への影響はあまり考えなくていいのではないでしょうか?」
ふと思いついて提案する。
それにザイオンが、呼び名を《チビ助》から《ラーラ》に変えているのも大きなポイントだ。
『ニャー《と、とにかく承知した》』
ザイオンはファルザード様に向き直り、早口に告げた。
「ありがとう、ザイオン。ならば善は急げだ。場所を小高い丘かどこかに移したら、さっそく頼む。さて、どこがいいか」
場所を移るのは、風を起こす際、万が一にも民家を巻き込まないようにという配慮から。
ファルザード様は、顎に手をあてて目ぼしい場所を思案しだす。
「……あの! ここの裏の鐘楼では駄目ですか? 丘ではないし、回りに民家や田畑も多いですが、高さがあるので周囲への影響はあまり考えなくていいのではないでしょうか?」
ふと思いついて提案する。