拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています
「左様か。儂の退位の意向と同時に、ジェニスの廃太子とそなたの王籍復帰を国民に告示した。これにより、現在継承権第一位は正式にそなたになっている。新王即位を待ちきれん国民らは、婚姻式を事実上の戴冠式と見做し、さぞ盛り上がることだろう。目出度いこと……っと、いかんな」
陛下の体が傾ぐ。
「陛下!」
すかさずファルザード様が支え、陛下を寝台に横たえる。
「……すまぬ。少々、草臥れた」
「陛下、我々はこれで失礼しますので、もう休まれてください。失われた体力は、すぐには戻りません。今はどうか、養生を最優先に」
「ふむ。この上は一刻も早く回復し、儂の王としての最後の仕事。そなたへの譲位を円滑に進めねばならんからな。そうしよう」
「婚姻式には、当然ながら叔父上の席を用意します。ですので、それまでに全快していてください。では」
ファルザード様に促され、陛下の枕辺から踵を返しかけて、足を止めた。
「陛下。お手をお借りしても?」
「? ああ」
陛下の体が傾ぐ。
「陛下!」
すかさずファルザード様が支え、陛下を寝台に横たえる。
「……すまぬ。少々、草臥れた」
「陛下、我々はこれで失礼しますので、もう休まれてください。失われた体力は、すぐには戻りません。今はどうか、養生を最優先に」
「ふむ。この上は一刻も早く回復し、儂の王としての最後の仕事。そなたへの譲位を円滑に進めねばならんからな。そうしよう」
「婚姻式には、当然ながら叔父上の席を用意します。ですので、それまでに全快していてください。では」
ファルザード様に促され、陛下の枕辺から踵を返しかけて、足を止めた。
「陛下。お手をお借りしても?」
「? ああ」