拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています
「まぁ、それはそうなんだけど……」
すっかり元気を取り戻した薔薇を前にご満悦な私とは対照的に、ミリアはどことなく納得いかないふうだった。
その後、私はミリアと共に孤児院の建屋を尋ねた。
「まぁまぁ。うちの子がお手数をおかけしたようで、どうもすみません」
応対に出てくれた院長先生は気の良さそうな初老の女性で、私が事情を説明するとにこやかに挨拶してくれた。
ただし、その間も廊下の向こうから子供たちの声はひっきりなしに聞こえてくるし、時々それに乳児の泣き声も交ざる。とても忙しそうだった。
「こちらこそ、多忙なところ急に押しかけて来て、申し訳ありません。あの、それで念のためミリアの手当てをしたいのですが、救急箱をお借りできますか?」
「えぇえぇ。今持ってきますから、そこの応接室でお待ちになってね」
「ちょっ、ティーナ! そんなに大ごとにしなくたってこのくらいの怪我、大丈夫だってば」
すっかり元気を取り戻した薔薇を前にご満悦な私とは対照的に、ミリアはどことなく納得いかないふうだった。
その後、私はミリアと共に孤児院の建屋を尋ねた。
「まぁまぁ。うちの子がお手数をおかけしたようで、どうもすみません」
応対に出てくれた院長先生は気の良さそうな初老の女性で、私が事情を説明するとにこやかに挨拶してくれた。
ただし、その間も廊下の向こうから子供たちの声はひっきりなしに聞こえてくるし、時々それに乳児の泣き声も交ざる。とても忙しそうだった。
「こちらこそ、多忙なところ急に押しかけて来て、申し訳ありません。あの、それで念のためミリアの手当てをしたいのですが、救急箱をお借りできますか?」
「えぇえぇ。今持ってきますから、そこの応接室でお待ちになってね」
「ちょっ、ティーナ! そんなに大ごとにしなくたってこのくらいの怪我、大丈夫だってば」