拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています
私とミリアの消耗を考慮したファルザード様は、帰路の足に迷わず貸馬車を選択した。借りてきた馬車の中で、ミリアからここに至るまでの詳細を聞いた。
やはり、〝ミリアと知りあいの貴族女性〟の正体は、お姉様だった。
ジェニス殿下もラーラのことをただのネコだと疑っていなかったくらいだから、きっとお姉様もラーラが精霊だとは知らなかったはず。ならば、お姉様がこんな犯行に及んだ動機は、単に私への憎しみや敵愾心。大切にしているペットを奪うことで、私を痛めつけようとしたのだろう。
心が、ひどく痛かった。
そして、私の姉だと聞かされて、言葉巧みに誘い出されたミリアは、途中からお姉様に刃物で脅されていたという。
被害を被ったのも、それで怖い思いをしたのもミリアだ。私に至っては、加害者家族という立場になる。
それなのに、ミリアは目に涙を溜めて、私の肩を抱きしめてくれた。
「ティーナはティーナだ。お姉さんがしたことと、ティーナは関係ない。あたしはこれからもティーナが大好き」
やはり、〝ミリアと知りあいの貴族女性〟の正体は、お姉様だった。
ジェニス殿下もラーラのことをただのネコだと疑っていなかったくらいだから、きっとお姉様もラーラが精霊だとは知らなかったはず。ならば、お姉様がこんな犯行に及んだ動機は、単に私への憎しみや敵愾心。大切にしているペットを奪うことで、私を痛めつけようとしたのだろう。
心が、ひどく痛かった。
そして、私の姉だと聞かされて、言葉巧みに誘い出されたミリアは、途中からお姉様に刃物で脅されていたという。
被害を被ったのも、それで怖い思いをしたのもミリアだ。私に至っては、加害者家族という立場になる。
それなのに、ミリアは目に涙を溜めて、私の肩を抱きしめてくれた。
「ティーナはティーナだ。お姉さんがしたことと、ティーナは関係ない。あたしはこれからもティーナが大好き」