拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています
それから一カ月後。
すべての後処理にひとしきりの区切りが見えてきたこのタイミングで、王城で途中経過報告会がもたれた。
会議室には、ファルザード様と私、エイムズ卿と卿が押す車椅子に乗った陛下、ヘサームさん、その他高官や各部門の責任者らが集っていた。
意外な人物としては、その有能さをファルザード様に買われ、国務調整室付きの秘書官として正式に登用されたカロンの姿もあった。
そうして始まった会議では、各所からの報告がどんどん読み上げられ、情報の共有がされていく。
取調責任者から説明されたのは、ジェニス殿下の証言だった。それにより、お姉様がデモの武力制圧に関与したことも明らかになった。
室内はざわめいた。けれど、聞かされても私はもう驚かなかった。