拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています
「そもそも私は王妃になりたかったんじゃない。ファルザード様を愛し、共に支え合い、同じ道を歩んでいきたいと思った。その想いを貫いた先にあったのが王妃という地位でした」
姉を前に萎縮していたこれまでとは一変し、己の意思を堂々と口にする彼女の姿を意外な思いで眺める。
「ただし、野心を持って王妃の座を望むことが悪いことだとは思わない。けれどそこには最低限、国を愛し、民を慮り、夫を思いやる心が不可欠なのではありませんか。国民より私欲を優先させた時点で、お姉様はその地位を望む資格を失っているわ」
「勝手なことをっ! お前に私のなにが分かるというの!?」
「ええ、私には分かりません。すべてを備え、家族にも使用人たちにも、あんなにも皆から愛されながら、それでもなお愛のなんたるかを理解しえなかったお姉様のことが。……いずれにせよ、今のお姉様は王妃どうこうのそれ以前。武力行使などという手段で国民の命を蔑ろにしたことを、その場所で大いに反省すべきだわ」
「う、うっ、うぁあああああああっっ!!」
姉を前に萎縮していたこれまでとは一変し、己の意思を堂々と口にする彼女の姿を意外な思いで眺める。
「ただし、野心を持って王妃の座を望むことが悪いことだとは思わない。けれどそこには最低限、国を愛し、民を慮り、夫を思いやる心が不可欠なのではありませんか。国民より私欲を優先させた時点で、お姉様はその地位を望む資格を失っているわ」
「勝手なことをっ! お前に私のなにが分かるというの!?」
「ええ、私には分かりません。すべてを備え、家族にも使用人たちにも、あんなにも皆から愛されながら、それでもなお愛のなんたるかを理解しえなかったお姉様のことが。……いずれにせよ、今のお姉様は王妃どうこうのそれ以前。武力行使などという手段で国民の命を蔑ろにしたことを、その場所で大いに反省すべきだわ」
「う、うっ、うぁあああああああっっ!!」