拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています
口約束ではあるが私は委託栽培を了承し、既に契約は成立している。加えて踏み込まれたのは、まさに私が麻薬草の種を受け取ろうとした瞬間だ。私の関与は明らかで、麻薬草だと知らなかったと訴えて、果たしてそれを信じてもらえるのか。
「おい? どうした?」
すぐ近くでなにか聞こえたような気もするが、今はそれに意識を向ける余裕がない。頭の中は、今後の不安で埋め尽くされていた。
もし、孤児院の子供たちや院長先生、家族に迷惑をかける結果になったら、私は……っ!
そこまで考えたところで、急に床を踏んでいる感覚があやふやになり、膝からカクンと力が抜ける。
「おいっ! 大丈夫か!?」
……あ。床に崩れ落ちる直前で、横から伸びてきた腕に体が支えられた。
ギシギシと軋むような動きで顔を上げると、こちらを心配そうに見下ろす純度の高いアメジストみたいな瞳とぶつかる。
「おい? どうした?」
すぐ近くでなにか聞こえたような気もするが、今はそれに意識を向ける余裕がない。頭の中は、今後の不安で埋め尽くされていた。
もし、孤児院の子供たちや院長先生、家族に迷惑をかける結果になったら、私は……っ!
そこまで考えたところで、急に床を踏んでいる感覚があやふやになり、膝からカクンと力が抜ける。
「おいっ! 大丈夫か!?」
……あ。床に崩れ落ちる直前で、横から伸びてきた腕に体が支えられた。
ギシギシと軋むような動きで顔を上げると、こちらを心配そうに見下ろす純度の高いアメジストみたいな瞳とぶつかる。