拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています
 宝石みたいな目の持ち主は、カルマンさんを捕まえた男性だった。体格に恵まれており、身長は二メートルに届きそうだ。相当鍛えているのだろう。厚みのあるガッシリとした体付きで、私の腹部に回ったままの腕は筋肉質な硬い感触を伝えてくる。
 彼は、私を捕まえて断罪しようとするかもしれない人だ。しかしこの時、不思議と私の胸に、彼に対する恐怖は湧いてこなかった。
「……す、すみません。もう、平気ですから」
 しどろもどろに口にする私に、男性は眉を寄せた。
「とても平気には見えない。ひとまず座るんだ」
 男性はそう言って、ヒョイと私を抱えてソファに座らせてしまう。幾ら平均より小柄とはいえ、人ひとりをほとんど片腕一本の力で持ち上げてしまうパワーに目を丸くした。
「あの! 私はなにか罪に問われますか? 信じてもらえないかもしれませんが、私、知らなくて……っ」
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