キラキラ王子様系男子の秘密を知ったら実はアブナイオオカミでした?!
先輩が落ちつくと、私は体を離す。
「……はあ…今までこんなことなかったのに…」
「大丈夫ですか?」
「ああ、もう大丈夫だ、輝こそ大丈夫か?」
「はい」
先輩は私を心配そうに見る。
「悪かったな、あんな風にさせて」
と謝る先輩に、私は少しだけ申し訳なくなった。あれは、私の意思だ。フェロモンのせいだけじゃない。でも、それを言うのもやっぱりまだ、怖いのだった。
「今日はありがとう」
先輩がそう言って笑いかける。
「こちらこそ、ありがとうございます!」
私はぺこりと頭を下げた。帰るのが惜しいと思うくらい楽しかった。…楽しかっただけじゃない。ドキドキもした。
「また、料理しような」
その言葉に私は
「もちろんです!」
と言う。
「では、また学校で」
夢のような一日だった。
ありすにマカロンを渡すと、「このこの〜イチャイチャして〜」なんてからかってくる。その後、うま!と言いながら一瞬にしてマカロンを食べ切っていた。そして、また学校が始まる。夜に先輩と会う日々。変わらないようで、徐々に変わりつつある関係。それは一方的かもしれないし、そうじゃないかもしれない。……。先輩の心に触れたい。先輩に……。