世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
【彼side】

毎晩毎晩20時以降になると、かかってくる電話。

おかげで俺の通話履歴はあいつの名前でびっしり埋め尽くされていた。

ーーブーブー…

またかかってきた。

「……はい」

『もしもしっ!羽瑠だよ!』

表示されてんだから、そんくらい分かってるし……。

『今日ね!海月くんと結星くんの話してたんだよ!』

「……」

渋々出ても、こんな調子で電話の向こうのあいつはすごく嬉しそうにしているのが顔を見なくても伝わってくる。

『最近結星くんと夜電話してるんだー!って話したら良かったねっ!って!』

「……」

……なんであんなことしちまったんだろうな。

‪”‬かけたきゃかけてこい‪”‬とか。

そんなんキャラじゃねぇのに。

それに、誕生日のことだってそうだ。

あんなの断るべきなのに。

ーーあ、覚えてるかな? 9月24日!結星くんの誕生日なの!

自分より、自分を知ってくれている人がいる。

そう思った時、得体の知れない感情が湧き上がってきて、

つい、分かった、と返事をしていた。

『あ!デート楽しみだね!』

デート、ってのは…付き合ってる男女がどっか出掛けるからそう言うんだろ…。

俺ら(・・)は​そういうんじゃ───────…
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