世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
***

それから近くのハンバーガー屋に行った。

今日はいつかのデートコースらしい。

「思い出すかなっ…っ、ここで私チーズバーガー床に落としたんだよっ!おっちょこちょいって思われちゃったかも…って泣いてたら結星くんが半分分けてくれたのっ」

時々、‪”‬あの時こうだったんだよ!‪”‬という話を、すごく嬉しそうに懐かしむようにしてきた。

飯を食べたあとは、散々雑貨屋に付き合わされた。

「これかわいい!」

しょうもないうさぎの置物を手に取っては微笑み、手に取っては微笑んでいた。

そんな姿に、俺はつい、声をかけていた。

「なぁ……」

「んっ?」

「……楽しいか?」

「うんっ!楽しい!結星くんと居られるだけで楽しいし、嬉しいし、幸せ!」

「……」

もし。







一緒に居られない(・・・・・・・・)と知ったら……






こいつは、あの時みたいにまた……

ーーぅうぅううぅぅうう~~…っ、…

泣くのだろうか​───────。

ふいに、涙が落ちそうになってさりげなくそっぽを向いた。

「……あ。ご、ごめん!今日は結星くんを楽しませようと思ってたのになんか私ばっかりはしゃいじゃった……っ」

「……別にいいよ」

夕日が登り始めた頃。

近くの待ち合わせした噴水広場に戻り、並んでベンチに腰掛けた。

すると隣からカサカサと音が聞こえてきて、かと思ったらそれを俺の前に「はいっ」と言って差し出してきた。

「なんだよ…」

丁寧に包装されたクッキー。

それをグイッ、と俺の胸元に押し付けると

「これ、結星くんの為に作ったのっ!クッキー!中学の時の誕生日にもあげたんだよ!」

と言って、瞳を揺らした。
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