世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
***

「今日は私とデートしてくれてありがとっ」

本当はまだまだ一緒にいたいけど…、と名残惜しく感じながらも、お礼を言った。

なんか…、幸せだったな。

行った場所。食べたもの。やったこと。

全部一緒に経験するのは2回目。

思い出してくれるかな、なんて思ったりしたけど、それはなかった。

でも、またこうして新しい想い出が作れたから、満足。

やっぱり……、結星くんだなぁ。

そう感じる場面もいくつかあった。

それに、何より……

ーー…どっちから告白したんだ

私達のことを、知ろうとしてくれているのが、言葉では言い表せないくらい、……嬉しかったんだ。

「あっ、じゃあ行くねっ!これから病院行くんだっけ?」

一緒に寮まで帰りたいな、と思ってたけど、結星くんこれから病院行くみたいで、今日はここで解散。

もう尾行なんて姑息な真似はしません。

「あぁ…」

「え、と、また…、っ、で、…デートしたい…な」

「……」

返事は何もなかった。

またツンツンタイムかな?

結構勇気出して言ったのにー。

少しだけ頬を膨らませつつ、「じゃあ行くねっ! ばいばい!」と結星くんに背を向けて歩き出した。

うぅー…。

結局最後まで羽瑠、って呼んでももらえなかったよーー。ちょっと期待してたのにー。

なんて思っていた矢先のことだった。




「………羽瑠」




「……………」
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