世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
街の喧騒にまみれ、背後から聞こえてきたその声に、耳がピクっ、と反応した。

足を止めて振り返ると、オレンジ色の夕日に照らされながら結星くんと視線が絡む。

呼んで……くれた…………。

余すことなく顔面の筋肉が全て持ち上がる。

声にならない喜びは留めておくに過ぎず、カバンの紐が引きちぎれそうなぐらいギュウ…、と握った。

​────その時だった。















「……別れよう」










「…………………………」


周りの音が、スっ、と消えて。

‪”‬別れよう‪”‬という言葉だけが、何度も何度も頭の深い所にガンガン響く。

めまいがするように、視界に映る全てがグルグルと回った。

「ぇ………………」

泣く寸前のようなか細い声が、震える唇の隙間からボトン…、と落ちる。

踵を返して、ゆっくりと、結星くんの元に戻った。

「…………嘘…だよね?」

改めて尋ねる。紅嵐くんみたいに‪”‬嘘ぴょん‪”‬って言われることを期待して。

でも…

「俺は、この先二度と羽瑠を好きになることはない」

「……」

ハッキリ、と断言されたその言葉に胸がミシッ、と軋んだ。
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