世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
「うわぁああああああん…っ、結星くんなんか大っ嫌い……世界で1番嫌い……っ!大っ嫌い!!!!」

何度も声に出して、自分に言い聞かせた。

じゃないと…そう簡単に、嫌いになんて、なれないよ……

忘れる、なんて、出来ないよ……

ずっと一緒にいたいのに……。

でも……

よくよく考えたら先に結星くんから離れていったのは……私、なんだよね。

事故した時も、きっと辛かったはずなのに。
記憶がない、なんて。辛いに決まってるのに。
私は、そばにいてあげなかった。

なんで海外なんて行っちゃったんだろう。

「こんなにっ……、こんなに好きなのにぃ…」

怒りにも似たようなやり場のない感情を、どうにか発散したくて太ももを叩いた。

「…ぐすんっ、」

‪ーー羽瑠。俺らがちゃんと大人になったらさ、結婚しよう?

「うぅぅううっ…、ぅわぁああああん……っ、約束したのにぃ……」

結星くんと結婚するの……っ、私なのに…っ

「羽瑠ちゃん?」

​────その時だった。

突然背後から呼び止められて、振り向くと海月くんがいた。

「大丈夫っ?」

涙でぐちゃぐちゃの私の顔を見た海月くんが咄嗟にふわっ、と上着を肩に掛けてくれた。

いけない。早く泣き止まないと……。

もう手遅れかもしれないけど急いで頬についた涙を拭う。

忘れる、って約束して1晩一緒に居てくれたんだもん……。ちゃんと切り替えなきゃ。
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