世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
「海月くん、どうしたの…」

どうしてこんなとこに…

「紅嵐とそこのラーメン屋行ってて、その帰りだよ。そしたら泣いてる羽瑠ちゃん見えたから…。どうしたの……?」

海月くんの視線の先には確かにラーメン屋があった。

「あ……そうなんだ…。私はね…、まっ、迷子になっちゃっただけなの……」

「迷子?」

「うんっ、ちょっと朝一で買い物行ってたら、道に迷っちゃって……っ、てへへ」

「あ〜、そっか……こっち来たばっかだし、道迷っちゃったよねっ。一緒に帰ろっ」

涙をなんとか誤魔化したくて、作り笑いを浮かべた私に海月くんは得に気に留める様子もなくニコッ、と微笑んでくれた。

「あっ、紅嵐ー!羽瑠ちゃんだよー!」

海月くんが少し遠くから歩いてきた紅嵐くんに手を振った。

「あれ?羽瑠ちゃん? こんなとこでどうしたの?」

「迷子だってー」

海月くんが横から口を挟むと、小馬鹿にしたように紅嵐くんが苦笑した。

「迷子!? 迷子になって泣いちゃったの?」

「すみませんねー!迷子で泣くような女で!」

なんだかイラッ、として、早口で返す。

でもなんか…2人のおかげで気は紛れたかも。

「羽瑠ちゃんほんとおっちょこちょいだなぁ」

いつも通りのテンションで話しかけてくる紅嵐くんの様子からしても、きっと2人は知らない……。

昨日、私達がそういうこと…してたって。

「あ!見て!紅嵐!あそこにアイス屋さん来てる!」

そこで海月くんが少し向こうを指さした。

ちょうど通り掛かった公園の一角に、アイスクリーム屋さんが出店しているらしかった。
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