世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
そしていろいろ思い出してたら結星くんに振られちゃった記憶まで、鮮明に思い出しちゃって、胸が痛くなった。

当たり前だけど、今ここに結星くんの姿が無いことが心にぽっかりと穴が空いたように切なくなる。

「うん、異常はないみたいだね」

それから先生が容体を診てくれて、一通りの検査が終わった。

先生が出て行って、病室には紅嵐くんと海月くんと私が残る。

この1ヶ月。
2人は定期的に病院に来てくれてたみたい。

「それにしても、目覚めて良かったよ」

紅嵐くんが安堵の表情で私に視線を向けた。

すぐ拘束してくるし、ぶっちゃけ今まであんまり好きではなかった紅嵐くんだったけど…

ーー結星も……、ちょっと忘れちゃってるだけだよ…、そのうち絶対羽瑠ちゃんのこと思い出すって……っ

意外にもあの時、優しい言葉をかけてくれて。

実は変態の裏は優しい人だったりして、なんて思い始めている自分もいた。

まぁ、まだ油断ならないけど。

「僕、羽瑠ちゃんが寝てる間、毎日キスしてあげたんだよ?」

「え!? 私に!?」

「え? うん。おとぎ話だと大体キスで起きるから……」

何食わぬ顔して言う海月くんにはやっぱり悪気が無さそうでケロっ、としている。

付き合ってもない人にキスはよくない、っていう考えをそもそも持ち合わせてないみたい。

キス魔怖……。

「え、……あの、さ…、」

「ん?」
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