世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
だってそこには、いるはずのない人がいたから。

「ゆ……うせいくん…」

「羽瑠…っ、大丈夫か……っっ」

眉を下げて、心配そうに私を見つめる結星くんは、肩を上下に揺らしている。

息が弾んでいるのが伝わってきて、急いで来てくれたんだ、と分かった。

え……。

どうしてここに?

私…振られたんじゃ……、

もしかして駆け付けてくれた……の?

そんな夢みたいなことを思って、つい「なんで……」と口に出していた。

「羽瑠……っ、羽瑠…っ、ごめん…っ、俺……」

すると結星くんは、呼吸を整えながらゆっくりと私に近づいて。

ギュッ、と覆い被さるように私の身体を抱きしめた。

ポロポロと布団の上に涙が落下する。

それは、結星くんの涙だった。

「なんで……なんでここにいるの…?」

もう1度改めて尋ねる。すると……耳元で今にも消えそうな小さな声が聞こえた。

「………好きなんだ…」

「…え?」

すぐさま、‪”‬聞き間違い‪”‬ を疑う。

だって……、だって、そんなわけ…

「おい、海月、外出るぞ」

「あ。うん」

ポカン、としているうちに、2人が気を利かせたのか速やかに病室から出ていく。
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