世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
***

『もしもし羽瑠!? 大丈夫なの!?』

スマホ越しに聞こえるママの声は切羽詰まっていた。

慌てて電話をかけてきたみたい。

「うんっ!ちょっと頭打っちゃっただけなの」

と言っても、1ヶ月間昏睡状態は中々重症な気がしないでもないけど……。

『ごめんなさいね、ママずっとスマホ壊れてて、羽瑠が大変なことになってる、ってさっき知ったのよ…っ、今すぐ日本帰るわね!』

「えっ!? いいよ!!もう大丈夫だし!ママ今仕事大変でしょ?」

前電話した時に、確か仕事でトラブって今忙しいんだ、って言ってた。わざわざ日本に帰ってきてもらうのは、申し訳ない。

『え、でも……』

「ほんとに大丈夫!それに…結星くんがいつもそばについててくれるから……っ」

少しだけ照れくさい言葉だったからか、最後の方は声が小さくなってしまった。

『……ふふ、何よ、もうそんな感じなの?』

向こうで微笑ましそうな笑みを浮かべている、であろうママ。

ただでさえ頬が赤くなってく途中なのに拍車がかかる。

「へへ……ま、まぁね…っ」

『上手くやってるみたいで良かったわ。仕事落ち着いたらそっち帰るから。また紹介してね』

「うん!分かった!」

ーートントン…

「羽瑠。ちょっといいか?」

お母さんとの電話を切ってすぐ、結星くんが病室に入ってきた。

「どうしたの?」

「羽瑠に会いたい、って人が来てるんだ」

「私に?」
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