世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
話についていけず、ちんぷんかんぷんで首を傾げる私に、結星くんが教えてくれた。

「羽瑠…知らないのか? こいつ、あの大手マッサージチェーンの御曹司なんだよ」

「・・・」

「え!?」

マッサージ……チェーン?

もっ、もしかして…

紅嵐くんの苗字は確か…

‪”‬ 龍堂 ‪”‬

はっ…!?

「龍堂…って、あの……っ!?」

そこで初めてピンときた。

CMでもよく流れてる……。

全国にチェーン展開してる今大人気‪の……

「‪”‬極上マッサージ店・リュウドウ‪”‬!?」

「そうそう、あれ? 言ってなかったっけ?」

確かにさっき脚モミモミされたのは、超気持ちよかった……。

「え、じゃあ、今まで私のこと拘束してきたのは……」

「あぁ、マッサージの練習」

と、答えた直後。「……の息抜き」と付け足した紅嵐くん。

「息抜き!?」

「そう。俺、元々店継ぎたくなかったんだよ。なのに、家帰れば親父にしょっちゅう一流マッサージ師になる為の試験させられててさー。正直うんざりだったんだ。でも、羽瑠ちゃんのちょっとエロい声聞くと俺も将来、客にこんな声出させるぐらいマッサージ上達しなきゃなー、って元気もらえるんだ」

〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!

もうっ…!!

「だったら最初っからそう言ってくださいよっ! てか勝手に人の声息抜きにしないで下さい!」

「だから、言ったつもりだったんだよ」

さりげなくそう言うと、紅嵐くんが私の頭にぽん、と手を置いた。
< 144 / 205 >

この作品をシェア

pagetop