世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
「でも、良かったね。羽瑠ちゃん。結星とまた一緒に居られるようになって」

「……?」

なんとなく……だけど、その時の紅嵐くんが私を見つめる目がいつもと違って随分儚げに思えて、変な間が出来てしまった。

「おい、気安く羽瑠に触るな」

「あ、妬いてんの? かっわいいー」

すぐに頭に置かれた紅嵐くんの手はすかさず結星くんによって振り払われていった。

ヤキモチだー、なんて言われて、少しだけ顔を赤くしている結星くんはすごく可愛くて。

2人のやり取りを見ながら、つい笑みがこぼれた。

***

紅嵐くんの驚きの正体はさておき……

待ちに待った放課後。

学校が終わって、パパっと着替えを済ませ、校門で結星くんを待つ。

胸には雫のネックレスをつけて。

とびっきりのオシャレをした。

それにしても今日1日、結星くん真面目に授業受けてたみたいで良かった。

実は前に男子寮潜入に失敗した時、学年主任の先生に、結星くんって、留年の心配はないんですか、って聞いてたんだけど、

このままだと留年確実、って言われたから心配してたんだよね。

やっぱり一緒に進級したいし!

「おまたせ」

「…っ」

やって来た結星くんを一目見るなり、私は硬直した。

「ん?どうした?」

不思議そうに結星くんが首を傾げる。
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