世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
「なんかついてる?」

「あ、いやっ…!その……」

心の中がきゃあああっ、と騒ぐ。

だって、だって……っ、

「その……っ、すごくかっこよくて…っ、」

モデルさんみたいでつい見入る。

目の前の結星くんはいつもの髪型ではなくて、センター分け。

バチッと決めてあるせいか、なんだかこれからプロポーズでもされるみたい…っ、なんて自惚れてしまう。

「あぁ、これか……。さっきそこで会った海月にやられた。女の子はセンター分けが大好きなんだよ、って…」

「にっ、似合ってる…っ、すごく!!!」

「おぉ……、、そうか? ありがとな」

戸惑い気味にお礼を言った結星くん。

その姿は‪”‬かわかっこいい‪”‬に物凄く該当した。

海月くん器用なんだなー…。

「なんか……隣歩くの恥ずかしい、かも…」

急に自分の格好がダサく思えて、意味無く手ぐしで髪を整える。

すると、結星くんが苦笑しながら言った。

「そんな可愛いのに?」

「…っ、」

はぅぁ……っ!?

発言といい、身なりといい、あまりのかっこよさに感動して涙が潤んでしまう……。

ギュッ、と慣れた手つきで私の手を取り、指を絡ませてくる結星くん。

「イルカ見るんだろ? 行こう」

まだ頭の中は忙しなく、バタバタしているけどなんとか冷静さを取り戻し、私達は恋人繋ぎしながら水族館へと向かった。
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