世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
なのになんで…………

「…っ」

涙がふいにポロリ、と頬を伝ってシーツを濡らした。

「んっ……っ、はぁっ…っ、」

情熱的に、何度も角度を変えて降り注がれるキスは甘くてとろけそうで。

だけどほんの少し……

​───────…切なかった。

結星くんがゆっくりと私の頬に手を伸ばす。

「……どうした?」

泣いているのに、気付かれてしまったらしい。

こういう時。

迷わずキスを中断してくれる結星くんは、あの頃と同じ優しさで私を照らしてくれる。

「羽瑠…?」

私はずっと……目を背けてきた気がする。

「です……か……」

私ね。

あなたが大好きで大好きで仕方ない…。

でも……

ちょっと ‪”‬違う‪” 気がするんだ。

それは記憶が、‪ある‪か‪‬ない‪かだけじゃなくて…

多分もっと……、

─────もっと別の何か​─────

「ん…?」

……どうしてあの時別れよう、って言ったの?

……どうして私を抱いた日、泣いてたの?

少し前……

屋上でも泣いてたよね……?


歪む視界の中。

私は……、意を決して尋ねた。








「誰ですか​──────​─────?」











この人は……








*




‪”‬結星くん‪”‬ じゃない……。
< 151 / 205 >

この作品をシェア

pagetop