世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
こんな気持ちだめだ、って分かっていながらも、どうしようもなく胸の奥をくすぐられていったんだ。

しまいには…

「あっ!あと!最近のちょっと冷たい感じの結星くんも……っ、なんかかわいい!そういうとこも好き!」

もう……、結星じゃねぇとこまで好きとか言い始めて。

‪”‬結星くん‪”‬じゃねぇってのに、
スリスリ擦り寄ってくるこのバカでアホでマヌケな純粋の塊みたいな野郎を……、

俺は、いつしか好きになってた。

言い訳にしか過ぎないが、これでも抑えたんだ…

‪”‬ 結 星 の 彼 女 だ ぞ ……‪ ”‬

そんなことを思いながらちょっとずつ自分の気持ちをセーブして。自制して。

だからあの日。

デートのあと別れよう、と告げた。

そうすることで気持ちを消そうとした。

羽瑠は結星の彼女だ。
羽瑠は結星が大好きなんだ。

……俺が好きになっていい相手じゃない。

そうやって必死に自分に言い聞かせて、強引に。

でも結局泣かせただけだった。

傷付いて欲しくねぇし。

泣かせたくなかったのに結局このザマだった。

「ごめん…っ、ごめんな​───────…」

ひたすら泣いて謝ることしか出来なかった。

俺、結星じゃねぇのに……。

抱いちゃったよ……、

クソだろ……。

その謝罪は羽瑠に、だけじゃない。

結星に対する謝罪でもあった。

結星…っ、ごめん…俺……

罪悪感だけが、胸に残ってますます自分がうざくなった。
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