世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
「それは、結星としてじゃなくて……お前、として…?」

羽瑠は結星の彼女だ。

これに頷けば、また俺は1つ自分が嫌いになる。

でも……、もう隠すことは出来なかった。

「……あぁ」

「そうか」

紅嵐と海月だって…、呆れてる。

本来の目的見失うどころか……好きになる、とか。

押し殺そうとしていた気持ちをその時、初めて誰かに言った瞬間だった。

「……結星に悪い、とかそういうのいらねぇと思うけど」

「え……?」

紅嵐がポツリと口にしたその言葉は、俺は胸の内の見透かされたような気がして戸惑った。

「結星もさ、そんなことで怒るような奴じゃねぇよ。お前が1番よく分かってんだろ?」

「……」

その日。

久しぶりに結星のスマホの電源を入れた。

まだ結星の死を受け入れられず、解約していなかったスマホ。

待ち受け画面がポウッと光る。

待ち受け画面には、結星と羽瑠が映っていた。

2人とも、すごく…幸せそうな顔をしていた。

……そうだよな。

2人には…、2人だけの想い出があって。

2人だけの特別な感情がある。
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