世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
#8 知りたい
***

「……嘘…。なに………それ…」

死ん……だ?

え……

頭は混乱するばかり。

知らなかった…結星くんに双子の弟がいたことも。

病気だったことも…何も…。

「もう……………いないの…?」

真実はあまりにも残酷で。

とても受け入れられなかった。

目の前にいる彼は…、

結星くんじゃなかった。

違う……人…

「ねぇ………っ、ゆうせいく…っ、死んじゃっ、たの……??」

ドバドバと頬を伝う涙なんて気付かず、ベッドのシーツを力任せに掴んで尋ねる。

……嘘だ、って言って欲しかった。

でも​───────…

この人に疑問を覚えたのも。

この人が結星くんじゃない、と気付いたのも……

私……。

それが何よりも、残酷な証拠だった。

「隠しててごめ…」

「触らないで…っ」

私の頬に向かって、伸ばされた彼の

‪”‬右手‪”‬……。

それを私は拒んでしまった。

パシッ!と軽くて冷たい音が部屋に響く。

本当に……結星くんじゃないんだ。
< 175 / 205 >

この作品をシェア

pagetop