世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
【うるうるー、今日も学校行かない?】

いつもなら桃子ちゃんと食堂で朝食を食べている時間。

スマホに届いた桃子ちゃんからのメッセージにゆっくりと返信する。

【うん……ごめんね】

【そっか】

真実を知ったあの日から早3週間。

私はただ息をするのに精一杯だった。

桃子ちゃんには何も話していない。

きっと何があったんだ、って思ってるんだろうけど聞かないでいてくれていた。

食堂のおばちゃんも気を利かせて、私の分だけよそってご飯を部屋に運んでくれる。

みんなの優しさが……、なんだか染みる。

私だけが、あの日から立ち止まったまま。

布団にくるまったまま。少し視線を動かせば。

いつもお守りのように見ていた結星くんとの2ショットがあった。

「結星くん……」

頭には結星くんの顔ばかりが浮かぶ。

浮かんでは消えて、浮かんでは消えていく。

こんなの……

どうやったら受け止められるの…

ーーコンコン…

窓を叩くような音が寝かかっていた私の耳に入ってきたのは昼過ぎのことだった。

ーーコンコン…

導かれるようにノロノロ、と立ち上がって私はカーテンを開けた。

久しぶりに取り込んだ外の光に目がくらみそうになる。
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