世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
それは、私のものじゃない……

海月くんのもの。

思わず目を見張った。

だって……海月くんのこんな顔、見たこと無かったから。

「…悲しいの分かるよ……」

ギュッ!と覆い被さるように海月くんが私に抱きついた。

一気に全体重を私に預けてくるので足に力を入れて踏ん張る。

小さく肩を震わせるその身体を支えた。

「うっ、ちょっ……海月く…」

「僕これから泣くからね!」

「えっ……?」

まるで忠告するかのように一言そう言うと、海月くんは特大の泣き声を上げた。

「わぁあああああああああんっ…っ、僕の方が羽瑠ちゃんよりも悲しいんだからねっ……っ、ぐすん…っ、だっでぇぇっ……ぼぐ…っ、ゆ‪”‬ーぜい‪”‬の…っ、ども‪”‬だぢだも‪”‬ん‪”‬〜〜っ!!!ゆ‪”‬ーぜい‪”‬の…っ、こ‪”‬ど…っ、め‪”‬っぢゃずぎだっだだも‪”ん‪”‬〜……っ」

堰を切ったように。

止まる気配のない泣き声は続いた。

「うるちゃ…っの悲しみが10なら…っ、僕は1億ぐらい悲しいんだからぁあああ~~~っ!!……ぐすんっ、こんなっ…、いつまでもウジウジしてる女の子が彼女だから……っ、結星は病気のこと…っ、言えなかったんだよ〜〜ぅ…、」

「……っ」

その言葉を聞いた瞬間。

触れられたくなかった胸の奥をぐるぐるとかき乱された気がした。
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