世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
【流星side】

休日に映画誘ってくるとか、期待しない男の方が珍しいと思う。

「そっ……っ、それはっ…っ、えっ、と…っ」

告白じみた言葉を発した直後、羽瑠の大きな瞳が俺を捉えていた。

こいつ多分分かってないな…

デート? なんのこと? え?

みたいな顔しやがって…

あの日。

病室で、俺が羽瑠に言った言葉は…、

全部結星のフリの範疇だと思われていそうだ。

………違うのに。

「えっ……っ、と、」

それにしてもそこまでドギマギされた反応を示されると、なんかそれはそれで恥ずい。

そんな重く受け止めて考えなくていいのに…。

でもそんな姿でさえ愛おしい、と感じてしまう俺は……、

よっぽどらしい。

結局これ以上返答に困らせるのも、と思って俺から話題を変えた。

結星が死んでから。

息がしずらい、と感じる日々ばかりだった。

でも……、今は違う。

「わっ、桜だ!」

ちょうど横切った河川敷に咲く桜の木。

それが視界に飛び込むなり、嬉しそうに頬を緩ませて駆け出していった羽瑠。

でもその時。

「綺麗……っ!きゃっ​…」

ズルッ、と足を滑らせ、バランスを崩した羽瑠。

「おっと……っ、あぶねっ…」

慌てて身体を支える。
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