世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
ちょっと目を離すとこれだ。

おっちょこちょいというかなんというか……。

時々よちよちしてて生まれたてのひよこみたいに感じる時がある。

「………」

俺に身体を委ねたまま、1点を見つめて、ボー、と固まる羽瑠。

ん? なんだ…?

まさか足くじいたとかか?

「…大丈夫か?」

「だっ、大丈夫っ!!!」

顔を覗き込むと、すぐに俺から逃げるように離れていく。

でもすぐにくるり、と向きを変え俺に背を向けた。

謎に両手で頬を覆っている。

変な奴……

春の匂いをたっぷり含む暖かな風が柔らかく俺の背中を押した。

許可を取るとか、そういうんじゃないけど……

でも​───────…

ゆっくりと頭上に広がる青空に目を向けて、呟く。

「結星…」

人知れず。

心の中で、続きを話した。


双子はやっぱり…、似るんだな。

いつかそっちで会えたら…。

今度は俺が…、

惚気けてやるからな。

決意にも似た何かを心に宿しながら今度は、まだそっぽを向いている羽瑠の名前を呼んだ。

「羽瑠」

「…っ?」

なんの警戒もせず、こちらを振り向いた羽瑠に俺は…

「………んっ…」

不意打ちにキスを落とした。

「俺…」

今にも溢れていきそうなこの気持ちを、

‪”‬俺‪”‬ が‪ ”‬お前‪”‬ に伝えたがっていた。















「羽瑠が好きだ​────​──────」


【終】
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