世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
えっ、えっ……?

なんでそんな驚かれてるんだろう…。

結星くんどうやら有名みたいだし、聞きたいことは山ほどあるけど、とりあえず『あの‪結星くんの彼女』の‪”‬あの‪”‬が猛烈に引っ掛かって聞き返す。

なんだか前から知ってる、みたいな口ぶりだ。

「桃子ちゃん、”‬あの‪” ‬って……??」

「いやぁ、まだ入学したての頃さ、結星くんかなりモテてて…、でも『これ俺の彼女なんだ。可愛いだろ』って、至る所で彼女自慢してたから、一時期女の子達がショック受けてたの」

「…っ」

つい、口を手で押さえた。

さっきまでズーン、ってなってガーンってなってた自分が嘘みたいに遠いどこかへ飛び散る。

天国から地獄…いや、地獄から天国に這い上がっていく気分。

「それ…っ、ほっ、ほんと??」

「ほんとほんと!!」

そんなふうに私のこと、周りに自慢してくれてたなんて……。

あまりに嬉しくて頬が緩む。

ふわぁああ…っ、そうだったんだ…っ

なんだ…ぁ……。

じゃあ昨日は久々の再会にちょっと照れちゃってただけかな……っ?

へへへ…、てへへ……、と溢れ出る笑みを抑えきれず、すっかり都合のいい考えにシフトチェンジしていた。

そうだよ。あの結星くんだよ!?

自慢の彼女を絞め殺すなんて…っ、そんなこと​ある訳────
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