世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
「あ、でもね…」

「?」

桃子ちゃんが唐突に真剣な表情になって、前のめりになった。

そして一際、シークレット情報かのようにヒソヒソ、っと私の耳元で教えてくれる。

でも次にガタン!と椅子を引いて立ち上がったのは私だった。

そして、あまりの衝撃に食堂中に響き渡る大声を上げてしまった。

「殺し魔!?」

「ちょっ……、 シー!」

「あっ、ごめんごめんっ」

食堂にいた人達から朝から何よ、と不機嫌そうな視線が注がれ、慌てて座り直す。

だ、だ、だって……!

殺し魔、ってなに!?

「あ、でも、そう言われ始めたのは割と最近かな。 1年の最初の頃は優しい印象だったよ? それこそ一時期はアイドル並みにモテてた訳だし…」

「そう!そうなの!優しいの!結星くん!すーっごく優しいの…!」

桃子ちゃんにグイッ、と詰め寄って、でっろでろのアイスクリームの如く頬が緩む。

つい、結星くん自慢を炸裂してしまいそうになった。

同じアーティストを推すファンに出会った時のように、テンションが上がっていく。
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