世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
まだ初対面相手はちょっと緊張しちゃう。

「隣の席だから、分かんないことあったら何でも聞いてねっ、あ!敬語じゃなくていいからねっ」

てっ……、天使だぁああ…っっ。

転校初日の女の子にこんな優しい言葉を掛けてくれるなんて…っ。

心做しか彼の周りに天使の羽根がふわふわと舞っているように見える。

「ありがとうござ…っ、ありがとう…っ」

第一印象は幼い顔立ちの可愛らしい男の子。

タレ目で、少し口を引き結んだだけで浮き出る小さなエクボと、右頬にある涙ボクロが彼の可愛さをさらに引き立てているように感じる。

……って、あれ??

この人…どっかで会ったような……。

うーん……。

ジー、と海月くんの顔面に釘付けになっていた時、海月くんが心配そうに眉をひそめ、尋ねてきた。

「あ、そういえば昨日大丈夫だった?」

「へっ…?」

きのう……??

ポカン、としたのも一瞬のこと。

ーーだいじょうぶっ?ゆっくり息吸って…

すぐに昨日の記憶が蘇り、跳ね上がるように「あっ!」と声を上げた。

「昨日の人…っ!!」

「そうっ。あれ? もしかして気付いてなかった?」

昨日首を絞められた時、私を抱き起こしてくれた人だ。

制服姿だったから全然気付かなかった。

はっ……

ってことは…
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