世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
随分あっさりと自己紹介を済ませた彼は短くため息をついて言った。
「昨日は驚かせちゃったよね。許してやって?」
「え、あ、いや…っ」
ヤクザ、とか……怖そうな人、とか、思ってたのが申し訳ないくらい紅嵐くんはスマートで落ち着いた印象だった。
金色の髪の毛と、無数のジャラジャラピアスだけは派手だけど。
「羽瑠ちゃんのことは、結星から聞いてたよ」
「えっ?結星くんが…っ?」
「うん。俺の彼女だー、って」
やっぱり……、今朝桃子ちゃんが言ってたことは本当だったんだ…っ。
当事者の話が聞けたことに、また嬉しさが込み上げてきて、だらしなく頬が緩む。
「へへっ、ほんとですか…っ」
「うん。本当」
そう言って、ニヤリ、と口元に弧を描かせた紅嵐くん。
でも次の瞬間───────。
「んっ…」
口元にハンカチのようなものを当てられて急に体の力がフッ、と抜けた。
立っていられなくなって視界が大きくグラン…と揺れたけど、すぐに紅嵐くんに抱き抱えられた。
あれ……。なに…これ…。
瞼が……勝手に…。
そのまま逃れようのない睡魔に襲われた私はゆっくりと目を閉じるしかなかった。
「昨日は驚かせちゃったよね。許してやって?」
「え、あ、いや…っ」
ヤクザ、とか……怖そうな人、とか、思ってたのが申し訳ないくらい紅嵐くんはスマートで落ち着いた印象だった。
金色の髪の毛と、無数のジャラジャラピアスだけは派手だけど。
「羽瑠ちゃんのことは、結星から聞いてたよ」
「えっ?結星くんが…っ?」
「うん。俺の彼女だー、って」
やっぱり……、今朝桃子ちゃんが言ってたことは本当だったんだ…っ。
当事者の話が聞けたことに、また嬉しさが込み上げてきて、だらしなく頬が緩む。
「へへっ、ほんとですか…っ」
「うん。本当」
そう言って、ニヤリ、と口元に弧を描かせた紅嵐くん。
でも次の瞬間───────。
「んっ…」
口元にハンカチのようなものを当てられて急に体の力がフッ、と抜けた。
立っていられなくなって視界が大きくグラン…と揺れたけど、すぐに紅嵐くんに抱き抱えられた。
あれ……。なに…これ…。
瞼が……勝手に…。
そのまま逃れようのない睡魔に襲われた私はゆっくりと目を閉じるしかなかった。