世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
***

「っ……」

あれ……。私…何してたんだっけ……?

徐々にぼんやりとする意識がハッキリしていって、体を起こそうとした時。

異変に気付いた。

……嘘。

体が金縛りにあったみたいに1ミリも動かせなかった。

首を動かして見ると、どうやら私の手足は鎖のようなものでベッドにキツく固定されていて、仰向けに寝かせられていた。

動かそうと試みるけどカチャカチャと金属音が響くだけ。

「んーっ…」

そしてさらには口にもガムテープが貼られていた。

たちまち全身に悪寒が走り始める。

頭がついていかない……。何これ……。

頭上には煌びやかなシャンデリアがあって、部屋の中をふんわりと照らしていた。

壁は全面ピンク色でなんだか……ラブホみたいな部屋で、私は今拘束されていた。

私……まさか…っ、人身売買的な悪いことを生業にしてる悪い組織に捕まっちゃった…?

どうしよう! 逃げなきゃ!

拘束から逃れようと、ひたすら身をよじって、もがいたその時。

すぐそばで声がした。

「あ、目覚めた?」

声のする方を見る。そこには紅嵐くんがいて。

感情の読み取れない顔でベッドに拘束させられた私を見下ろしていた。

あっ…。もしかして助けに来てくれたのかも!

「んー!んーっ!」

助けて下さい!

私、人身売買されちゃいそうなんです!

「んー!」

これ!解いて下さいー!
< 30 / 205 >

この作品をシェア

pagetop