世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
連絡途絶えてからも、この1年私は結星くんの存在をお守りにしながら、向こうで頑張ってた。

早く会いたくて。早く抱きしめて欲しくて。

何度もお母さんに早く日本に帰りたい、ってお願いして、やっと帰って来られたのに。

「ぐすん…っ、うぅーーーーーーっ…」

緩んだ。

抑えてた何かがまたフッ、と緩んで。

思わず声を撒き散らして、涙を流した。

どうしよう……。

冷められたとしても。

嫌いになられたとしても。

それでも私……

まだ結星くんが好きでいる。

ーー私、その……はじめてで…え、と…、んっ……

ーー……大切にする

初めてひとつになったあの夜が。

今でも色褪せることなく、すごくべったりと脳裏に張り付いていた。

もう随分前のことなのにまるで昨日のことのよう。離れてくれない。

「だいじょうぶっ?」

え……っ?

ふいに頭上から落ちてきた声に涙でぐしゃぐしゃの顔を上げると、ちょうど大きな木が目に入って、その木の枝に人影が見えた。

「海月…くん……、どうしてここに…?」

そこにいたのは薄手のパーカーを羽織ったラフな格好をした海月くんで。

私は慌てて涙を拭い、立ち上がった。

「紅嵐と女子寮潜入ごっこしてたら羽瑠ちゃんが泣いてるのが見えたから…」

……女子寮…潜入ごっこ…
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