世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
ん? っていうか……

恐る恐る、さっきまで温かいものが当たっていた感覚が残る唇に手を伸ばす。

あれ……。

私今…、めちゃくちゃあっさり、すんなりキス…された……よね?

なんていうんだろう。

もう付き合って、半年以上は経過してるカップルぐらい、手馴れたキス……だった気がする。

「え……?」

え、まって、どゆこと?


***

「あぁ〜…、海月くん、キス魔だから」

「キス魔…っ!?」

あの後すぐに桃子ちゃんの部屋を訪れた私。

そこで海月くんについて聞いてみたら、これまた衝撃的なワードが飛び出した。

「うん、しかも不意打ちだから。タチ悪いでしょ~。でもそういうとこが、かわいいっていうか。もしかしてうるうるもされちゃった?」

「……はい」

観念するように頷くしかなかった。

「まぁまぁ、そんな落ち込まないで!? この宝来学園通ってる人は半分以上が海月くんのキス食らい済みだから」

「半分以上……!?」

全校生徒300人はいるよね!?

「本人に悪気はないみたいだし、キスの後も、結構ケロッ、としてるからさ? 挨拶くらいに思ってていいと思うよー?」

うん。確かに…、ケロッとしてたかも。

キスなんてまるでなかったかのように、普通に帰ってった……。

そうか、やっぱ海外のノリに近い感じなんだ…。
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