世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
離れまい、とギュー、と力いっぱい結星くんにしがみつく。

呼応するように結星くんも抱き締め返してくれた。

「ぅわぁーーん…っ、ぐすんっ…、結星くっ…、浮気しないでーぇ…っ。私のこと忘れないでー…っ、ぐすんっ、」

「バカ。浮気もしねぇし。忘れるわけねぇだろ?」

不安で。不安で。仕方なかったあの日。


キミは言ってくれた​───────。


「羽瑠。俺らがちゃんと大人になったらさ、結婚しよう?」

「へっ……?」

「あはは、嫌……?」

これ、もしかしてプロポーズ……??

「嫌じゃない! する! するっ!」

「ほんと羽瑠は可愛いな。じゃあもう泣くな。な?」

その言葉はまるで魔法みたいで、あっという間に涙は引っ込んでいった。

はたから見たら、それはきっと、

‪”‬中学生が交わしたただの口約束‪”‬

でも、私にとっては……


‪”‬永遠の約束‪”‬ だった。


「じゃあ、約束。一緒に幸せになろうな」

「うんっ!」

あの日絡ませた小指は今でも熱を帯びていて。

将来に対するキラキラとしたものが全てここに詰まっている気がしていた。

言葉が上手く通じない異国の地で、挫けそうな時もあった。

でも、結星くんを想えば乗り越えられた。

いつだって結星くんの存在が私の心をロウソクのように柔らかく、ポウッ…、と照らしてくれていたんだ。
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