世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
えっ……

結星くんを見つけたのだ。

校門を潜り、外へ出ようとしている所だ。

「結星くん…っ」

すぐさま目的地変更。

教室ではなく、私は結星くんの後を追うことにした。

言うまでもなく考えるより先にそうしてしまっていた。

ダボッと制服を着崩した結星くんはやっぱりまだ見慣れない。

昔は生徒会長やってたくらいキチッ、としてたのに…。

茂みに隠れながら。電信柱に隠れながら。

学校そっちのけで尾行を開始して10分。

結星くんはある大きな建物に入っていった。

びょう……いん?

結星くんが入っていったのは大学病院だった。

なんで……

緑色の芝生が広がる中庭を抜けて、引き続き後を追う。

角を曲がって……、曲がって……

ーードン!

「きゃっ……」

曲がった瞬間、誰かにぶつかってしまって、尻もちをついた。

結星くんを追いかけるのに夢中になってた…っ。

そうだよね。ここは病院。

車椅子乗ってる人もいるし、ちゃんとよく周りを見ないと……っ

ヒリヒリするお尻を触りながら謝ろうとした顔を上げる。
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