世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
今度は後ろから髪を鷲掴みにされて、強引に仰向けにさせられた。

「ぅ‪”ぐ‬…っ」

お腹に馬乗りになった結星くんが荒々しく私の手首を掴んで、地面に押し付け……

そして​───────…

顔を歪めて、怒鳴った。












「俺はもう‪”‬結星くん‪”‬じゃねぇんだよ…っ!!」










「…………………………………………っ、」




ピシャリ!と怒鳴られた一際大きな声に驚いて、全身がビクッ、と跳ね上がってしまう。

鋭い目つきで睨まれて、面倒くさそうにため息が落とされた。

「…」

途端に……

堰を切ったように。

想い出が脳裏を過ぎってしまった。

いつも想い出すだけで幸せな気持ちになって、自然と笑顔になれる結星くんとの想い出。

……そのはずだったのに。

今は、それらが全部……、

涙となって込み上げてきた。

ぶわっ、と視界が大きく滲んで、だらしなく口角が下がった。




「………………………………ふぇっ…っ、」




ーーほんと羽瑠は可愛いな。じゃあもう泣くな。な?




「…………っ、ふぇぇ…っ、……っ」




さっきまでの威勢が……全部…どっか行っちゃって……、はむっ、と下唇を噛んだ。

今の今まで‪ ”‬泣いちゃだめだ‪”‬ って頑張ってたけど……、




​───────…だめだった。




「ぅうぅううぅぅうう〜〜…っ、ぅえぇぇえええええん…っ、うぇぇええ〜〜〜ん…っ、うえぇ〜〜〜〜〜〜〜〜ん………っ」
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