世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
【彼side】

「結星くんの彼女なの!両想いなの!」

そんな真っ直ぐな目を向けられても

俺、知らねぇよ……。

結星くん結星くん……うるせぇよ。

だからイライラして、あんなこと言っちまった。

「俺はもう‪”‬結星くん‪”‬じゃねぇんだよ…っ!!」

でも​、あの後。

目から大粒の涙ポロポロ零しながら、子供みたいに泣きじゃくるあいつを見て。

「…ハァ…ハッ、ハッ、ハァッ……ハァ…」

「大丈夫か……」

つい……、震える背中に手を伸ばしてしまった。

だって直前までべー、とか言って煽ってきた野郎が、あんな……



………過呼吸になるまで泣くなんて思わねぇだろ、普通。



だいぶ呼吸が落ち着いてきた頃。

すぐ、疲れたようにクタ……、と眠ったそいつの寝顔をしばらく見ていた。

「………ゆ……せい……くん」

何度その寝言を聞いたか分からない。

聞く度に、心臓が痛かった。

そんなに…

好きでいてくれてたんだな……。
< 79 / 205 >

この作品をシェア

pagetop