世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
最初はこういう所が少し怖かったけど、今となってはツンケンしてるだけなのかな、と感じ始めていた。

…まぁ、忘れちゃったなら言ってあげてもいっか…っ。

改めてこんなこと言うのやっぱり少し照れくさいけど仕方ないから教えてあげた。

「全部だよっ」

『……』

「お顔も、お声も、優しいとこも、全部っ!大好き!」

そう言いきった後。

まだある!と思って急いで付け足した。

「あっ!あと!最近のちょっと冷たい感じの結星くんも……っ、なんかかわいい!そういうとこも好き!」

『……』

また生まれてしまった沈黙に、喋り過ぎちゃったかな…と反省する。でも…

『…そうか』

比較的穏やかな口調で、受け止めてくれて、安心した。

ほとんど喋ってたのは私だったけど、楽しかったな。

ーー通話時間はたった3分。

でも、その3分だけでこんなにも幸せな気持ちになれた。

まだ鼓膜にこびりついて離れない結星くんのちょっとぶっきらぼうな声を心の中で反芻する。

その日は、この胸のポカポカを逃がさまい、と布団の中でボールみたいにぎゅーっ、と小さく丸まりながらまま眠りについた。
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